2000年10月30日
My first Seoul.
10月26日、木曜日。
AM9:30発、成田を離陸。
そしてたったの2時間後、
韓国のソウルに到着。
到着後、すぐにCOEXというコンベンションセンターへ向かう。
COEXは前週に「アジア・欧州サミット」のおこなわれた場所。
できたばかりの、超ハイテクコンベンションセンター。
なんでここに来たかというと、
23日~28日まで行われる国際デザインシンポジウム、
「Oullim2000」に出席&スピーチするためだ。
このシンポジウムは「ビジュアル・コミュニケーション・デザイン」がテーマで、
動かない2Dのデザインから、インタラクティブなものまで、
テーマも広く、また世界中のアーティストが招聘されている。
僕はゲームということで呼ばれた。この分野は初だそうだ。
明日は僕の前にアンダーワールドで有名な、
Tomatoがスピーチすることになっている。
夜、主催者、ゲスト、ボランティアを集め、
約500人での夕食会。
なんかスケールがでかい。しかも、国籍バラバラ。
フランス料理のフルコース。
でも最後はビビンパ。これが最高に美味。
パーティ後、ホテルに戻り、翌日の講演の準備。
足りない資料があることに気づき、
日本にいるオカミネと平井くんに夜中のヘルプ・コール。
なんだかんだとAM4:00。ついに撃沈。
翌日は7:30起床。
8:30に通訳の方と打ち合わせ。
そのあと、ビデオの打ち合わせ。
11:00に終了。
僕の出番は12:00。
時間があるので、客席で僕の前のプログラム、
英国からきているTomatoのプレゼンテーションを聞き入る。
Tomatoはソウルでも人気らしい。
なかなかこれが素晴らしいプレゼンで、
この直後だと思うと、ちょっと緊張もするが、
まぁ僕は僕の調子で行こうと心に決める。
こういうことにも、いつのまにか、ほんとに慣れてしまった。
昔は、いつもドキドキしていたんだけどな。
心臓も、鍛えれば毛が生えるってもんだ。
Tomatoが終わり、ついに僕の番がやってきた。
ステージに立つと、客席が思ったよりもデカイ。
1500人ぐらいの会場に、人がびっしり。
僕のプレゼンで、このシンポジウムは終わる。
つまり、トリってやつですな。
開き直り作戦で&自分のペースで、淡々とプレゼン開始。
チャンネル5の映像を交えながら、1時間。
ゲーム制作のプロセスを紹介。
結構いい感じで進み、最後に質疑応答。
客席が明るくなったが、客は帰ってない。ヨカッタ。
大学教授のおばさんから、結構マジメな質問が飛ぶ。
「10年後のゲームのイメージは?」
「ゲームにおけるバイオレンスはどう考えます?」
自分の考えを述べて、無事プレゼン終了。
終了後、ステージ前に人が並ぶ。
パンフレットにサインをねだられる。
気がつくと、長蛇の列になってて、
みんなに、サイン。英語や、日本語で質問も飛ぶ。
結局、1時間、列は消えず、サインし続けた。
これって、韓国では普通なのかな?
その後、昼食会でもサインを強請られ、メシ食えず。
そんなところへ、昨日のパーティで隣の席だった画家のLeeさんと、
その奥さんと再会。
2人が、僕のプレゼンを相当気に入ってくれたようで、
Leeさんは僕に、手製の2001年のカレンダーをくれた。
そのタイトルはハングルで書かれていたので、
その意味を教えてくださいと言ったら、
Leeさんは「You will be a happy maker.」という意味だと言った。
奥さんは、微笑んでいた。
なんかちょっとジーンと来た。
こういう些細なことで、よく嬉しくなってしまう。
韓国に来てよかった。
ハラ減ったまま、合同記者会見へ。
韓国のメディアからいろんな質問が飛ぶ。
「デジタルの定義とはなんでしょう?」
あまりに観念的な質問に一同苦笑。
会見後、Tomatoと挨拶。
突然、僕の友人の名前が出てきて、ビックリ。
その友人から、事前に僕のことを聞いてたらしい。
お互いに、お互いのプレゼンについて談義。
音と映像の本質的なところに彼らのテーマはあるが、
自分の興味とダブっていて、話が合う。
彼らもゲームには興味があるそうだ。コラボレーションの可能性?
ま、近い将来、そういう時もくるでしょう。
だって、テーマ似てるしね。
同じようなことやってんだから。
その夜は、弘盆大学というアート系の学校付近に遊びに行く。
僕が見たかったソウル。本当に話したかった人たち。
等身大な雰囲気を観察&トーク。
韓国の若者たちは、思ったよりもシャイだけど、
なんか勢いがある。
学校の周辺はお洒落な店が多く、
バーやら、レストランやら、韓国家庭料理屋らをぞろぞろハシゴ。
そしてそのあと、Oullim2000主催のテクノのパーティへ。
そこでもサインを求められ、もう腱鞘炎寸前。
ひょっとして俺、誰かに間違えられてるのかな?
ま、いっか。
You will be a happy maker. だし。
そのあと、トンデモンに行こうと思ったが、
もうだめ。ギブアップ。ホテルに戻って就寝。
翌日11時ごろ、
韓国でのアシスタント、DoucYoungくんから電話で起される。
「水口さん、フライト18:40でしょ?映画観ましょう」
彼は僕に見せたい映画があるらしい。
荷物を預けて、ソウルの下町までタクシーで。
「僕、韓国語わかんないよ」
「大丈夫です。解るはずです」
「JSA」という新作の韓国映画。
JSAとは、Joint Security Areaの略。
つまり、38度線のこと。
北朝鮮と韓国の国境上の話。
ひょんなことから仲良くなってしまった北と南の若い兵士たち。
夜な夜な酒盛りをし、互いのイデオロギーや人生観について話し、
互いの彼女の話をし、子供のように遊び、
次第に心を通わせるが、最後になんとも悲しい結末が待っている。
これが確かに、切なく、痛い。
ドギョンくんは3回目にもかかわらず、最後にまた泣いていた。
「僕らにはたまんない映画です」
昨日会った学生の中には、
「南北の話はあまり興味がない」という人も多かった。
ドギョンくんは若い人間には珍しく、
「南北はゼッタイに統合されなきゃいけないんです。何があっても」
と言っていた。
ちなみに「シュリ」は、かなりファンタジーらしい。
そのあと僕らは、抗日運動発祥の公園に行き、
そこで将棋を楽しむ多くの老人の間を散歩した。
正直、怖かった。でも、逃げたくなかった。
そして飛行機の時間まで時間があったので、
たまたま開催されていた、ナム・ジュン・パイクの展覧会へ。
「TV Garden」が展示されていて、ちょっと感激。
今まで写真でしか見たことなかったから。
でも、やっぱり80年代な感じがする。
時代はうつろい、僕らのセンスも研ぎ澄まされている。
モードと本質。
そう考えると、岩井(俊雄)さんは、
やはりすばらしいアーティストだ。僕は大好きです。
夕方、空港へ。
20:30。成田着。
雨。
ただいま。東京。
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